鼻の手術について④〜下鼻甲介粘膜下組織減量手術〜
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こんにちは。鼻・副鼻腔クリニック大宮院長の金谷です。
今回は下鼻甲介手術の中の、粘膜下組織を減量して通気を改善する手術の説明です。
下鼻甲介は図1のような構造をしています。
前回のブログで粘膜表面を焼くことで下鼻甲介を小さくする手術を説明しました。今回は粘膜の下の組織を除去することで、下鼻甲介の大きさを小さくする手術の説明です。この手術は局所麻酔でも行えますが、鼻中隔の手術や、神経切断手術と併用することが多いため、当クリニックでは全身麻酔下に行うことがほとんどです。
粘膜下組織の減量の仕方にはいくつか方法がありますが、近年ではマイクロデブリッダーという、柔らかい組織を吸引しながら除去する特殊な器械を用いる施設が多いと思われます。当クリニックでも、この手術を行う場合には、この器械を使用します。具体的には、下鼻甲介に数ミリの小さい切開を入れ、その切開部から4ミリのマイクロデブリッダーを挿入し、下鼻甲介粘膜下の組織を吸引しつつ削り取ります。
この手術のメリットとして以下の点があります。
・手術創が小さくすむ。
・出血のリスクが少ない。
・傷の回復が早い。
・手術時間が短い(片方約5分)。
デメリットとしては、手術の効果期間が短めであり、重症な方は数年で鼻閉が戻る、ということがあります。
私見ですが、この手術は術者にとっては簡便、安全なため、好んで用いられますが、症状が再発する方もしばしば見られます。そのため、当クリニックでは次回お話しする下鼻甲介骨を切除する方法を主に用いています。