鼻炎にはアレルギーによるもの(ダニや花粉など原因が特定できた鼻炎)、アレルギーによらないもの(例えば寒暖差やタバコの煙などで誘発されるもの。粘膜過敏症が主体。アレルギー検査をしても原因は不明)がありますが、症状は基本的に同じです。
過剰な免疫応答により、鼻粘膜が腫脹し、鼻汁、くしゃみが増加します。
慢性鼻炎の治療
鼻炎の治療には手術以外の治療(保存的治療)と手術治療があります。
保存的治療
当クリニックでは鼻洗浄とステロイドの点鼻薬の併用をお勧めしています。治療効果に比し、副作用が少ないため、どなたでも安心して行っていただけます。
この他に薬(抗ヒスタミン薬や漢方薬)の内服がありますが、当クリニックでは必要最小限にしています。
また、東洋医学的見地に基づいた生活習慣の改善なども、鼻炎症状緩和に有用ですので、お話させていただいております。
手術的治療
手術治療には2種類あります。
一つは鼻粘膜の大きさを小さくして、物理的に鼻を通す手術で、もう一つは鼻に分布する副交感神経を切断して、鼻汁とくしゃみを減らす手術です。
鼻粘膜を小さくする手術
鼻粘膜には上中下の甲介と呼ばれるヒダがあり、それぞれ上鼻甲介(じょうびこうかい)、中鼻甲介(ちゅうびこうかい)、下鼻甲介(かびこうかい)と呼びます。
このうち下鼻甲介が最も大きく、鼻炎により下鼻甲介が腫大すると鼻詰まりが起こります。この下鼻甲介を小さく形成する手術(内視鏡下鼻腔手術I型)を行っています。
当クリニックでは、粘膜を形成する骨を切除し、粘膜を保存する方法を取っています。粘膜には加温、加湿、浄化作用など重要な役割があるため、なるべく切除しないことが大切であると考えています。尚中鼻甲介が大きな場合には中鼻甲介の形成も合わせて行います。
神経を切断する手術
鼻腔に分布する副交感神経を切断することで、鼻汁の分泌を抑制し、くしゃみ反射を減らします。1987年に開発されたこの手術は後鼻神経切断術と呼ばれ、 我が国で開発、発展した手術です。
神経切断の方法は施設によって様々ですが、当クリニックでは神経に並走する動脈(蝶口蓋動脈。鼻腔を栄養する重要な動脈です)を傷つけず、神経のみを選択的に切断するため、術後出血などの合併症のリスクが非常に少ないのが特徴です。